会うは別れの始め(あうはわかれのはじめ)」という言葉を聞いたことがありますか?
どこか寂しさを感じさせるこのことわざは、出会いと別れが表裏一体であることを示唆しています。
日常会話や文学作品などで耳にすることもありますが、その正確な意味や背景、使い方について詳しく知りたいと感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「会うは別れの始め」ということわざについて、以下の点を分かりやすく解説します。

【北澤篤史先生】
ことわざ・漢字熟語の専門家、ことわざ学会理事。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。
「会うは別れの始め」のポイントまとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| ことわざの意味 | 出会った者とは、いつか必ず別れる運命にあるという人生の真理を表す。 |
| 使い方の場面 | 別れの場面・出会いを大切にしたい時・人間関係の儚さを語る時に使われる。 |
| 由来・背景 | 仏教思想の「諸行無常」「愛別離苦」などに基づき、古くから使われてきた。 |
| 類語・関連表現 | 盛者必衰、生者必滅、諸行無常、月満つれば則ち虧く |
| 英語表現 | ・To meet is the beginning of parting. ・Every meeting leads to a parting. ・Parting is inevitable when people meet. ・Those who meet must part. |
| ことわざが教えること | ・出会いの尊さ ・「今」を大切にすること ・変化を受け入れる心 |
「会うは別れの始め」の基本的な意味
会うは別れの始めとは、「出会った者とは、いつか必ず別れる運命にある」という意味のことわざです。
出会いの喜びがあれば、その裏には必ず別れの悲しみがついて回る、という人生の真理、世の無常を表しています。
人との出会いは一時的なものであり、永遠に続く関係はないという、少し寂しいけれど普遍的な事実を示唆する言葉です。
仏教的な「諸行無常(しょぎょうむじょう)」の考え方にも通じるものがあります。
すべてのものは常に変化し、同じ状態に留まることはない、という思想が根底にあるとも言えるでしょう。
「会うは別れの始め」の使い方と例文
このことわざは、以下のような状況で使われます。
- 別れの場面で、その悲しみを表現・受容するとき
- 出会いの喜びを感じつつも、いつか来る別れを意識するとき
- 人間関係の儚さや世の無常について語るとき
【例文】
- 「楽しい時間はあっという間だったね。まさに 会うは別れの始め だ。」
- 「転勤で親友と離れるのは辛いけど、会うは別れの始め と言うし、また会える日を楽しみにしよう。」
- 「どんなに親しい間柄でも、いつかは別れが来る。会うは別れの始め とはよく言ったものだ。」
- 「この出会いを大切にしたい。会うは別れの始め だからこそ、一緒にいられる時間を噛み締めよう。」
このように、別れの寂しさを表現するだけでなく、だからこそ今の出会いや時間を大切にしよう、という前向きなニュアンスで使われることもあります。
「会うは別れの始め」の由来
このことわざの明確な出典を特定するのは難しいですが、古くから人々の間で言い習わされてきた言葉と考えられます。
特に、仏教思想における「諸行無常」や「愛別離苦(あいべつりく)」(愛するものと別れる苦しみ)の考え方が深く影響しているとされています。
平安時代の『伊勢物語』など、古典文学の中にも、出会いと別れの無常観を描いたものは多く見られ、こうしたテーマが古くから日本人の心に根付いていたことがうかがえます。
人々が経験的に感じてきた人生の真実が、ことわざとして定着したのでしょう。
「会うは別れの始め」の類語・関連語
会うは別れの始めと似た意味を持つことわざや表現には、以下のようなものがあります。
- 盛者必衰(じょうしゃひっすい):勢いの盛んな者も必ず衰える時が来るということ。世の無常を表す点で共通しています。
- 生者必滅(しょうじゃひつめつ):生命のあるものは必ず死ぬ運命にあるということ。これも仏教的な無常観に基づく言葉です。
- 諸行無常(しょぎょうむじょう):この世のあらゆるものは常に変化し、生滅していくということ。根底にある思想として関連が深いです。
- 月満つれば則ち虧く(つきみつればすなわちかく):月が満月になれば、あとは欠けていくだけであるように、物事は頂点に達すれば衰えに向かうということ。
これらの言葉も、会うは別れの始めと同様に、物事や関係が永続しないという真理を示しています。
「会うは別れの始め」の英語表現
会うは別れの始めのニュアンスを英語で表現する場合、以下のような言い方が考えられます。
- To meet is the beginning of parting.(直訳に近い表現)
- Every meeting leads to a parting.(すべての出会いは別れに通じる)
- Parting is inevitable when people meet.(人が出会えば別れは避けられない)
- Those who meet must part.(会う者は別れねばならない – より運命的な響き)
文脈に合わせて使い分けると良いでしょう。
「会うは別れの始め」が教えてくれること
会うは別れの始めということわざは、単に別れの悲しみを強調するだけではありません。
- 出会いの尊さ:別れが必然であるからこそ、一つ一つの出会いがかけがえのないものであることを教えてくれます。
- 「今」を大切にすること:いつか別れるからこそ、一緒にいられる「今」この瞬間を大切にし、後悔のないように過ごすことの重要性を示唆します。
- 変化を受け入れる心:人生における変化や別れは避けられない自然なこととして受け入れ、執着しすぎない心の持ち方を促します。
寂しさの中にも、前向きな気づきを与えてくれる深い言葉と言えるでしょう。
まとめ
会うは別れの始めは、「出会った者とはいつか必ず別れる運命にある」という意味のことわざです。
仏教の無常観に由来するとも言われ、人生における出会いと別れの必然性を示しています。
この言葉は、別れの場面で使われることが多いですが、同時に、出会いの尊さや「今」を大切にすることの重要性も教えてくれます。
類語には「盛者必衰」「生者必滅」などがあり、英語では “To meet is the beginning of parting.” などと表現できます。
このことわざの意味を理解し、日々の出会いや人間関係をより深く、大切に感じてみてはいかがでしょうか。










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