「あちら立てればこちらが立たぬ」の意味と例文。語源・類語・対義語も解説

あちら立てればこちらが立たぬ(あちらたてれば こちらがたたぬ)

この言葉、聞いたことがありますか? 人間関係や仕事などで、どうにもならない難しい状況に陥った時に使われることが多いことわざです。

「なんとなく意味はわかるけど、正確には説明できない」「どんな場面で使うのが正しいの?」「『板挟み』とは違うの?」と感じている方もいるかもしれません。

この記事では、「あちら立てればこちらが立たぬ」の正確な意味、由来、具体的な使い方と例文、類語(特に「板挟み」との違い)、対義語、そしてこの言葉が表す状況について、分かりやすく解説します。

この記事を読めば、「あちら立てればこちらが立たぬ」を正しく理解し、複雑な状況を的確に表現できるようになります!

この記事を監修した人

「あちら立てればこちらが立たぬ」のポイントまとめ

ポイント
項目 内容
言葉 あちら立てればこちらが立たぬ
読み方 あちらたてれば こちらがたたぬ
意味 一方を立てると他方が成り立たず、両立できないジレンマ状態
ポイント 両者の要求や立場が対立し、同時に満たすのが困難な状況を表現
使う場面 人間関係・利害調整・資源配分・判断に悩む時など
例文 あちら立てればこちらが立たぬ状況だよ。本当に困った。」
類語 板挟み、二律背反、ジレンマ、トレードオフ、帯に短し襷に長し
類語との違い 「板挟み」は人の立場に焦点、「あちら立てれば〜」は状況の構造に焦点
対義語 一石二鳥、両立、丸く収まる、Win-Win
教訓・学び 利害が対立する場面では、全てを満たすのが難しい現実を表現するのに役立つ

「あちら立てればこちらが立たぬ」とは? 基本的な意味

意味

あちら立てればこちらが立たぬ」とは、一方の立場や意見を尊重(立てる)しようとすると、もう一方の立場や意見が成り立たなくなってしまう、という二者間の利害や要求が対立し、両方を同時に満たすことができないジレンマ(dilemma)の状態を表すことわざです。

  • 読み方: あちらたてれば こちらがたたぬ
  • 意味: 二つの対立する要求や立場があり、一方を満足させようとすれば、必然的にもう一方が不満や不利益を被る状況。
  • ポイント: どちらか一方を優先せざるを得ず、両方を円満に解決することが極めて困難であることを示します。「立てる」は、相手の面子や立場を尊重すること、「立たぬ」は、面子や立場が保てない、要求が通らないことを意味します。

「あちら立てればこちらが立たぬ」の由来・語源

由来

あちら立てればこちらが立たぬの明確な語源や出典は特定されていません。

しかし、古くから人間社会において、複数の人や組織の間に立ち、それぞれの要求や利害を調整しようとする際に、どうしても両方を満足させられないという経験が普遍的に存在したため、自然発生的に生まれた言葉だと考えられます。

物理的に、一方を立てかけるともう一方が倒れてしまうような状況や、シーソーのように一方が上がれば他方が下がる様子を、人間関係や利害の対立に例えたものと言えるでしょう。

「あちら立てればこちらが立たぬ」の使い方と例文

例文

あちら立てればこちらが立たぬは、以下のような、どうにも解決策が見いだせない、苦しい状況を表す際に使われます。

  • 人間関係の対立の仲裁
  • 仕事上の利害調整
  • 限られた資源(時間、予算など)の配分
  • 相反する要求への対応

使う場面

  • 二者の間で意見が対立し、どちらの肩も持てない時
  • 一方の要求を飲むと、他方から不満が出るのが明らかな時
  • 難しい判断を迫られている苦しい心境を吐露する時

例文

  1. 「A課長の要求とB部長の指示が真逆で、あちら立てればこちらが立たぬ状況だよ。本当に困った。」
  2. 「顧客からの納期短縮の要望と、製造部門の人手不足…。まさにあちら立てればこちらが立たぬで、調整が難航している。」
  3. 「親友二人が喧嘩して、どちらの味方もしづらい。まさにあちら立てればこちらが立たぬ心境だ。」
  4. 「限られた予算内で、営業部の要求も開発部の要求も満たすのは不可能だ。あちら立てればこちらが立たぬ問題に頭を抱えている。」
  5. 「環境保護を優先すれば経済成長が鈍化しかねない。この問題はまさにあちら立てればこちらが立たぬ典型例だ。」

「あちら立てればこちらが立たぬ」の類語・言い換え表現

類語

似たような状況を表す言葉はいくつかあります。

ニュアンスの違いも理解しておきましょう。

  • 板挟み(いたばさみ): 対立する二者の間に立って、どちらにも対処しなければならず、動きが取れずに苦しむ状況や立場そのものを指します。「あちら立てれば~」は状況の性質(一方を立てると他方がダメになる)を説明するのに対し、「板挟み」はその状況に置かれた人の苦しい立場や心境に焦点を当てるニュアンスがあります。
  • 二律背反(にりつはいはん): 互いに矛盾する二つの命題が、同等の妥当性を持って主張されること。哲学的な用語ですが、両立しない状況を指す点で共通します。
  • ジレンマ: 相反する二つの事柄の板挟みになって、どちらとも決めかねる状態。ほぼ同義で使われます。
  • トレードオフ: 一方を得ると、同時にもう一方を失うという、両立できない関係性。経済学などでよく使われます。
  • 帯に短し襷に長し(おびにみじかし たすきにながし): 中途半端でどちらの役にも立たないこと。直接的な類語ではありませんが、どちらの要求も満たせないという点で共通のニュアンスを持つことがあります。

「あちら立てればこちらが立たぬ」の対義語・対照的な概念

対義語

両方の立場が立つ、円満に解決するといった、あちら立てればこちらが立たぬの対照的な状況を表す言葉です。

  • 一石二鳥(いっせきにちょう): 一つの行為で二つの利益を得ること。
  • 両立(りょうりつ): 二つの事柄が矛盾なく成り立つこと。
  • 丸く収まる(まるくおさまる): 物事が穏便に、円満に解決すること。
  • Win-Win(ウィンウィン): 関係者双方が利益を得られること。

まとめ:どうにもならないジレンマを表すことわざ

まとめ

あちら立てればこちらが立たぬは、二つの対立する要求や立場があり、一方を尊重すればもう一方が成り立たなくなる、というどうにもならないジレンマを表すことわざです。

明確な由来はありませんが、人間関係や社会における普遍的な困難を表す言葉として使われてきました。

「板挟み」が苦しい立場や心境に焦点を当てるのに対し、「あちら立てれば~」は状況そのものの性質(両立不可能性)を説明します。

仕事の調整、人間関係、資源配分など、私たちは日々、大小さまざまな「あちら立てればこちらが立たぬ」状況に直面します。

このことわざは、そうした複雑で困難な状況を的確に表現する際に役立つでしょう。

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