「あいつの言い訳は、頭隠して尻隠さずだな」なんて聞いたり、使ったりしたことはありませんか?
この「頭隠して尻隠さず」ということわざ、なんとなく意味はわかるけれど、正確な意味や由来、正しい使い方となると自信がない…という方もいるかもしれません。
この記事では、「頭隠して尻隠さず」の意味、由来、具体的な使い方と例文、類語・対義語、そしてこのことわざが示す教訓について、わかりやすく徹底解説します。
この記事を読めば、「頭隠して尻隠さず」を正しく理解し、日常会話や文章で適切に使えるようになります!

【北澤篤史先生】
ことわざ・漢字熟語の専門家、ことわざ学会理事。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。
「頭隠して尻隠さず」のポイントまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 言葉 | 頭隠して尻隠さず |
| 読み方 | あたまかくして しりかくさず |
| 意味 | 悪事や欠点の一部だけを隠して、全体を隠しきれていないことのたとえ |
| 由来 | 危険時にキジが頭だけ隠して体は丸見えという習性が由来 |
| 使う場面 | 嘘や隠し事の一部がバレているとき、不完全なごまかし |
| 例文 | 「その言い訳、頭隠して尻隠さずって感じだね。」 |
| 注意点 | やや皮肉や嘲笑を含むため、使う相手・場面には配慮が必要 |
| 類語 | 隠すより現る、付け焼き刃、墓穴を掘る、尻尾を出す |
| 対義語 | 用意周到、抜かりない、完全犯罪 |
| 教訓 | ・中途半端な隠蔽は逆効果 ・正直・誠実が最善策 ・全体を見て行動すべし |
「頭隠して尻隠さず」とは? まずは意味を理解
「頭隠して尻隠さず(あたまかくして しりかくさず)」とは、悪事や欠点の一部だけを隠して、全体を隠しきれていないことのたとえです。
- 読み方: あたまかくして しりかくさず
- 意味: 自分では完全に隠したつもりでも、欠点や悪事の一部が見えてしまっている、間抜けな様子や中途半端な誤魔化しを指します。
- ポイント: 隠そうとしている行為そのものが、かえって隠しきれていない部分を目立たせてしまう、という皮肉な状況を表します。
文字通り、頭だけを隠して、お尻(体の一部)が見えてしまっている様子を想像すると、その滑稽(こっけい)さや不完全さがよくわかりますね。
「頭隠して尻隠さず」の由来・語源
このことわざの直接的な由来として有名なのが、キジ(雉)に関する話です。
キジは危険を感じると、草むらなどに頭だけを突っ込んで隠れようとすることがあるそうです。
しかし、体(特に目立つ尾羽などのお尻の部分)は丸見えのまま。
本人(本鳥?)は隠れているつもりでも、周りからは丸見えで、かえって「ここにいるぞ」と示しているようなものです。
このキジの習性が、中途半端な隠蔽(いんぺい)工作や、その場しのぎの誤魔化しをする人間の愚かさに通じるものとして、ことわざになったと言われています。(※ただし、これはあくまで通説の一つです。)
「頭隠して尻隠さず」の正しい使い方と例文
「頭隠して尻隠さず」は、人の言動の矛盾や、ごまかし・隠し事の不完全さを指摘したり、呆れたりするような場面で使われます。
使う場面
- 言い訳や嘘がバレバレな時
- 欠点や失敗を隠そうとして、かえって目立ってしまっている時
- 計画や準備が不十分で、詰めの甘さが露呈している時
例文
- 「テストでカンニングしたのに答案用紙だけ隠しても、頭隠して尻隠さずだよ。挙動不審ですぐバレるさ。」
- 「会議で不利なデータだけを除外して報告するなんて、頭隠して尻隠さずもいいところだ。後で必ず問題になる。」
- 「部屋の一部だけ綺麗に片付けても、他の部分が散らかっていては頭隠して尻隠さずだね。」
- 「彼のその場しのぎの言い訳は、まさに頭隠して尻隠さずで、聞いている方が恥ずかしくなった。」
注意点
頭隠して尻隠さずは、相手の欠点や失敗をやや嘲笑(ちょうしょう)するニュアンスを含むことがあります。
そのため、使う相手や状況には注意が必要です。目上の人に対して使うのは避けた方が良いでしょう。
「頭隠して尻隠さず」の類語・言い換え表現
似たような状況を表す言葉やことわざも知っておきましょう。
- 隠すより現る(かくすよりあらわる): 隠そうとすればするほど、かえって人目についてしまうこと。隠蔽行為そのものが注目を集める点を強調します。
- 付け焼き刃(つけやきば): その場しのぎで知識や技術を取り繕うこと。実力がないのに、あるように見せかける不完全さを指します。
- 墓穴を掘る(ぼけつをほる): 自分に不利になるような言動をしてしまうこと。隠そうとしたり、ごまかそうとしたりした結果、状況が悪化する点で共通することがあります。
- 尻尾を出す(しっぽをだす): 隠していた悪事や本性がばれること。「頭隠して尻隠さず」な行動の結果として「尻尾を出す」ことがあります。
「頭隠して尻隠さず」の対義語
完全にごまかせている、あるいは慎重である、といった反対の状況を表す言葉です。
- 用意周到(よういしゅうとう): 準備が隅々まで行き届いていること。
- 抜かりない(ぬかりない): 手落ちや見落としがないこと。
- 完全犯罪(かんぜんはんざい): 証拠などが全く残らず、犯行が誰にも気づかれない犯罪。隠蔽が成功している状況。
「頭隠して尻隠さず」が示す教訓
「頭隠して尻隠さず」は、私たちにいくつかの教訓を与えてくれます。
- 中途半端な誤魔化しは通用しない、むしろ逆効果である。
- 物事を隠蔽しようとすると、かえってボロが出やすい。
- 正直であること、誠実であることが、結局は最善策である。
- 物事を行う際は、全体を見て、細部まで注意を払う必要がある。
失敗や欠点を隠したくなる気持ちは誰にでもありますが、このことわざは、そうした際の不完全な対応を戒(いまし)めています。
まとめ:不完全なごまかしを戒める言葉
「頭隠して尻隠さず」は、悪事や欠点の一部だけを隠して全体を隠しきれていない、間抜けで滑稽な様子を表すことわざです。
キジが頭だけを隠す習性が由来とされています。
言い訳がバレバレな時や、隠蔽工作が不完全な時に使われ、中途半端なごまかしの愚かさを教えてくれます。
このことわざの意味を正しく理解し、自分自身が「頭隠して尻隠さず」な状況にならないよう、誠実さと計画性を持って物事にあたりたいものですね。











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