「悪銭身につかず(あくせんみにつかず)」という言葉を聞いたことはありますか?
これは古くから伝わる日本のことわざの一つで、お金に関する重要な教訓を含んでいます。
この記事では、「悪銭身につかず」の正確な意味、具体的な使い方、そしてなぜそのようなお金が手元に残らないと言われるのか、その理由について深く掘り下げて解説します。

【北澤篤史先生】
ことわざ・漢字熟語の専門家、ことわざ学会理事。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。
「悪銭身につかず」のポイントまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 言葉 (読み方) |
悪銭身につかず(あくせん み に つかず) |
| 意味 | 不正や楽な方法で手に入れたお金は、無駄遣いされたりすぐに失われたりして、自分のためにならない。 |
| 主な使い方 |
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| なぜ身につかないか |
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| 例文 |
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| 教訓 | 正直な努力によって得たお金こそが、本当に身につく財産である。 |
「悪銭身につかず」の基本的な意味
「悪銭身につかず」とは、盗んだり、ギャンブルで得たり、人からだまし取ったりするなど、不正な手段や楽をして手に入れたお金(悪銭)は、すぐに無駄遣いしてしまったり、予期せぬ出来事で失われたりして、結局は自分のものとして定着しない、という意味のことわざです。
簡単に言えば、「悪い方法で手に入れたお金は、結局は自分のためにならない」ということです。
なぜ悪銭は「身につかない」のか?その理由
では、なぜ不正に得たお金は手元に残らないのでしょうか。
いくつかの理由が考えられます。
一つは、お金を得る過程での苦労や努力が伴わないため、その価値を実感しにくいという点です。
自分で汗水流して稼いだお金は、大切に使おうという気持ちが自然と湧いてきます。
しかし、棚からぼたもち式に手に入ったお金は、ありがたみが薄く、計画性なく衝動的に使ってしまいがちです。
また、罪悪感や後ろめたさも影響している可能性があります。
不正な手段で得たお金を使うことに対して、心のどこかで抵抗を感じ、早く手放したいという心理が働き、結果的に浪費につながることがあります。
あるいは、そのお金が原因で新たなトラブルを引き起こし、失ってしまうというケースも考えられます。
さらに、ギャンブルのような一時的な幸運で得たお金は、その幸運が続く保証はどこにもありません。
再びギャンブルに投じて失ったり、気が大きくなって散財したりと、結局は泡のように消えてしまうことが多いのです。
このように、精神的な側面やお金の性質そのものが、「悪銭身につかず」という状況を生み出す要因となっていると考えられます。
「悪銭身につかず」の具体的な使い方
このことわざは、主に次のような状況で使われます。
- 不正な手段でお金を得ようとしている人への戒めとして:「そんな方法でお金を得ても、どうせ『悪銭身につかず』だよ」と忠告する際に用います。
- 不正に得たお金をすぐに失った人を見て:ギャンブルで大勝ちしたけれど、あっという間に使い果たしてしまった人などに対して、「まさに『悪銭身につかず』だな」と評する際に使います。
- お金を大切に使うことの重要性を説く際に:「やはり真面目に働いて得たお金でないと。『悪銭身につかず』と言うだろう」と、正当な労働や努力によって得られる対価の価値を強調する場合にも使われます。
「悪銭身につかず」を使った例文
- 宝くじで高額当選した友人が、あっという間に全額使い果たしてしまった。まさに悪銭身につかずを地で行くような話だ。
- 彼は怪しい儲け話に手を出して大金を得たらしいが、すぐに事業に失敗してすべて失ったそうだ。悪銭身につかずとはよく言ったものだ。
- ギャンブルで勝ったお金は、パーッと使ってしまうことが多いよね。昔から悪銭身につかずって言うし。
- 親から「人からだまし取ったようなお金は、結局自分のためにならない。悪銭身につかずということを忘れるな」と厳しく教えられた。
- 楽して儲けようとするのではなく、地道に働くことこそが大切だ。悪銭身につかずの教訓を心に刻みたい。
まとめ
「悪銭身につかず」は、単にお金が残らないという現象だけでなく、不正や楽な方法で得た富のはかなさ、そして正直に努力して得たものの価値を教えてくれる深いことわざです。
お金の使い方や稼ぎ方について考えさせられる、現代にも通じる重要な教訓と言えるでしょう。
この言葉の意味を理解し、日々の生活や仕事において、誠実であることの大切さを再認識するきっかけとなれば幸いです。











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